背理法

16.背理法

背理法

 命題が真であることを証明するために、命題が偽であると仮定して矛盾を見つける証明法。

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 命題が真か偽のどちらかでしかないことを利用した証明法。

命題Aの証明の例

「\( \sqrt{2} \)は無理数である。」

証明

 \( \sqrt{2} \)が無理数でない、すなわち有理数であると仮定すると
互いに素な正の整数a,bで\( \sqrt{2}=\frac{b}{a} \)と置ける。

すると\( \sqrt{2}a=b \)から\( 2a^2=b^2 \)となる。
両辺の素因数分解を考えると左辺は2が奇数個、右辺は偶数個出現するので素因数分解の一意性に矛盾する。

よって\( \sqrt{2} \)が無理数である。

解説

 ちなみに任意の実数a,bで命題「\( \sqrt{2}a=b ⇒ 2a^2=b^2 \)」は真であるので、この変形はつまり

仮定が正しければ\( \sqrt{2}a=b \)は真、よって\( 2a^2=b^2 \)も真である。ということ。

しかし\( 2a^2=b^2 \)はが真であると矛盾が生じる、仮定が間違っていたことになる。

命題\(p⇒q\)の証明の例

有理数a,bに対して「\( a+b \sqrt{2}=0 \)ならば\(b=0 \)」

証明

 これを偽であると仮定すると\( a+b \sqrt{2}=0 \)を満たし\(b=0 \)を満たさない有理数\(a,b\)が存在する。

つまり

\( a+b \sqrt{2}=0 \)かつ\(b \neq 0 \)を満たす有理数\(a,b\)が存在する。

その\(a,b\)は\( \sqrt{2}=-\frac{a}{b} \)を満たす。

しかし左辺\( \sqrt{2} \)は無理数であり、右辺が有理数となり矛盾。

解説

 \(p⇒q\)が偽であるとは\(p\)かつ\(\overline{q}\)を満たす値が存在することである。