「ある」と「すべて」

13.「ある」と「すべて」

すべてとある

 「すべて(任意)の\(x\)に対して\(p\)である」の否定は
「ある\(x\)に対して\(p\)でない」
「ある\(x\)に対して\(p\)である」の否定は
「全ての\(x\)に対して\(p\)でない」

確かめ
  • 「全ての\(x\)に対して\(p\)である」が真の時
    「ある\(x\)に対して\(p\)でない」は偽、

    「全ての\(x\)に対して\(p\)である」が偽の時
    「ある\(x\)に対して\(p\)でない」は真

    なので否定の条件を満たす。
  •  「全ての自然数\(x\)に対して\(3x\)は偶数である」の否定は「ある自然数\(x\)に対して\(3x\)は奇数である」。
  • 注意

    「全ての自然数\(x\)に対して\(3x\)は偶数である」の否定は「全ての自然数\(x\)に対して\(3x\)は奇数である」ではない。


  • なぜなら例えば\(x\)が\(1\)の時\(3x\)は奇数となるので前者は偽、\(x=2\)の時\(3x\)偶数になるので後者は偽。否定の定義を満たさないので後者は前者の否定ではない。

  • 14.ド・モルガンの法則の一般化

    ド・モルガンの法則の一般化

     \( \overline{p_1 \land p_2 ... \land p_n} \Leftrightarrow   \overline{p_1} \lor \overline {p_2} ... \lor \overline{p_n} \),
    \( \overline{p_1 \lor p_2 ... \lor p_n} \Leftrightarrow   \overline{p_1} \land \overline {p_2} ... \land \overline{p_n} \)

     ド・モルガンの法則はこのように一般化される。これをすべてとあるの問題に対応づける

    ドモルガンに変換して「すべて」と「ある」を考える


     「すべて(任意)の\(x\)に対して\(p\)である」において
    全ての値をそれぞれ\(x_1,x_2...x_n\)と置く
    \(p_k\)を「\(x_k\)が\(p\)である」とすると

    この命題は「\( {p_1 \land p_2 ... \land p_n} \)」である

     ド・モルガンの法則から否定は「\(\overline{p_1} \lor \overline {p_2} ... \lor \overline{p_n} \)」なので

    またはの定義から\(p\)をみたさない\(x\)が一つでも存在すれば真となるのでこれは「ある\(x\)に対して\(p\)でない」のことである。

     あるの否定がすべてになるのはドモルガンの法則の2行目から同様に議論できる。

    15.ならば再考

    復習

    「\(p⇒q\)が真である」とは「\(p\)を真にするすべての値が\(q\)を真にする」ことである。

    否定

    「\(p⇒q\)が真である」の否定「\(p⇒q\)が偽である」とは「\(p\)を真にするある値が\(q\)を偽にする」ことつまり反例が存在することである。